一人暮らしで犬を飼うこと

「ひとり暮らしだけど犬を飼いたい!」と思っている人、いませんか?

ということで、今回のテーマは「一人暮らしで犬を飼うこと」について。賛否両論ありますが、やっぱり否定的な意見の方が多いですよね。留守番を前提に飼うなんて可哀想、飼い主に何かあった時どうするの?などなど。

一人暮らしで6年間、2ヶ月弱の仔犬から犬を育てた経験者としては、一人暮らしで犬を飼うことを否定はしません。
ですが、誰にでもオススメできるわけでもありません。人間と犬の両方にとって「飼ってよかった!」となるためには、いろいろと条件があります。

どうすれば一人暮らしで犬を飼える?

一人暮らしで犬を飼うためには、次の4つをクリアする必要があると思います。
①犬を飼える環境が整っていること
②今の生活を変えられること
③犬を最優先にできること
④犬に人生を捧げる覚悟があること

犬を飼うためには、①~④をこの順番でクリアしていくことが大切だと思います。1つ1つしっかり考えて、今の自分は犬を飼えるのか?をじっくり検討しましょう。

条件その①:犬を飼える環境が整っているか?

当たり前ですが、犬を飼うためには環境が整っていることが大前提です。具体的には、
・ペット可の住居であること
・動物病院が近くにあること
・自分に何かあった時、電話1つで世話を頼める人がいること
・お金に余裕があること
の4つです。本やネットにもよく書いてあることなので、少し調べたことがある人は見たことがある情報だと思います。
これが一つでも欠ける場合、実際問題、犬を飼うことは難しいでしょう。

条件その②:今の生活を変えられるか?

一人暮らしで犬を飼うためには、犬の世話をする時間の確保が必要です。毎日、例外なく、
・朝晩30分の散歩ができること
・1日2回(仔犬は3回)の食事をあげられること
が最低限です。仕事が忙しいから、天気が悪いから今日は無理、は通用しません。もちろん、ペットシッターに頼んだり、自動給餌器をセットしたりなど、自分ができない時の手段はありますが、飼う前からそれらの手段を前提としなければならないのであれば、一人で犬を飼うことは難しいでしょう…。

条件その③:犬を最優先にできるか?

一人暮らしをしている人にとって、もちろん仕事が一番大事です。仕事をしなければ自分も犬も生きてはいけません。
ならば最優先は仕事でしょ?ということになるのですが、ここでいう最優先は、犬の命に関わる場合を想定しています。いつもと様子が違う犬を置いて仕事に行ってしまい、帰ってきたら…なんてことがあっては、犬はもちろん可哀想ですが、自分自身も立ち直れませんよね?
犬を守るためには、仕事を休んだり、転職をしなければならない可能性も出てくるということです。

条件その④:犬に人生を捧げる覚悟があるか?

最後の条件、それは「犬に人生を捧げる覚悟があるか」です。これが一番重要だと思います。
一人暮らしで犬を飼うということは、犬の人生(犬生?)を預かるということです。「この犬を幸せにできるのは自分しかいない、絶対に不幸にはさせない」という覚悟、それが「犬に人生を捧げる覚悟」です。

一人暮らしで犬を飼うということは、自分1人で幼稚園児を10年以上育て続けるイメージに近いと思います。もちろん、犬の方が子供よりも楽なことは百も承知ですが、言いたいのは「そのくらいの覚悟をもって飼い始めないと後悔することになる」ということです。
たとえば、一人で子供を育てているお父さん・お母さんが、子供を放置して、外出したり、趣味にのめり込んだり、恋人とデートに行ったり…その結果として悲惨な出来事が起こることは許されますか?「なぜこの親は子供を産んでしまったのか」と思いますよね…、仕方がなかったとは思えませんよね。
犬も同じです。「なぜこの人は犬を飼ってしまったのか」と思う飼い方をしている人をたまに見かけますが、そういう人は、犬に人生を捧げる覚悟なく、飼い始めてしまった人だと思います。

そういった意味では、条件その②の「今の生活を変えられるか?」と近いかもしれません。のめり込める趣味がある人、旅行が好きな人、恋人がいる人など、今の充実した生活が手放せない人は犬を飼うことをオススメしません。

反対に、仕事以外に特にやることのない人、人付き合いが面倒でインドア派の人、とりあえず生活は回っているけど人生今ひとつな人は、「犬に人生を捧げる覚悟」を持つことで、充実した人生が送れるかもしれません(私のように…)。

■ その他に大事なこと

上記①~④はあくまでも、飼うまでの条件や心構えであり、クリアは最低限の話です。
実際に飼うにあたっては、どの犬種がいいか、ということもじっくり考える必要があります。会社が近いからお昼休みにも帰れる人は、お留守番の時間も短くてすみますが、会社が遠い人や勤務時間の長い人はお留守番に強い犬種がいいなど、自分の生活スタイルでも我慢できる犬を飼うことがベストです。逆に、どうしても飼いたい犬種がある人は、その犬種にあった生活を自分ができるか?ということを、「条件その⑤」として考えてみてください。

■ おわりに

犬を飼う気持ちが萎えるようなことばかりを書きましたが、私の本音は、「今の人生を何とかしたい!と思う人は、犬を飼うことをオススメしたい」です。その思いから、一人暮らしの人向けの犬専用賃貸マンション「シェンノワール」を始めたのです。

ただ、犬を飼うということは服やカバンを持つこととは違うんだ、ということを理解して欲しいのです。「犬に癒されたい!」「一緒にドッグカフェに行きたい!」などの夢、いいと思います、犬を飼うことで苦労なく夢が叶う人もいます。でも、落ち着きがなく手の焼ける犬になってしまったら、他の犬を見て吠えてしまう犬になってしまったらどうしますか?飼ってしまった以上、こんなはずじゃなかった…と投げ出すことはできません。休日すべてを使ってトレーニングをしたり、お金をかけてドッグトレーナーにお願いしなければならないかもしれません。夢を叶えるために、そのくらいの覚悟を持つことができますか?それができてから、犬を飼うという一歩を踏み出して欲しいのです。

どうですか?犬を飼うイメージが湧きましたか?
残念ながらちょっと難しいと思えた方、とても懸命な判断です。そんなアナタは、いつか条件がそろった時に素敵な愛犬家になれるでしょう!

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